いえカツで実家を売って親の老後資金を作る

いえカツで実家を売って親の老後資金を作る

母が「この家、売れたら施設に入れるんだけどな…」とポツリと言った顔が忘れられない。あの一言が、すべての始まりだった。

実家は築40年。父が亡くなり、母一人では階段が辛い。バリアフリーの施設へ移りたいが、入居一時金が足りない。答えは一つ、実家を売るしかなかった。

最初に相談したのは、母が長年付き合う地元の不動産屋さん。「お世話になってますからね!」と査定額は1,500万円。母は「じゃあ、お願いできるかしら」と納得しそうだった。

でも、ネットで「不動産 一括査定」と調べると、もっと高く売れると書いてある。半信半疑でイエウールやスーモなど3つのサービスを使い、計5社に査定を依頼してみた。

結果は驚くべきものだった。

最高額2,100万円。最低額は最初の業者と同じ1,500万円。その差は600万円。この差が母の老後の生活の質を決める。私はたった数日の手間で、大きな過ちを避けられた。

この経験から学んだ、実家売却で絶対に知っておくべき本音を話そうと思う。


1. 生前売却か相続後か?「600万円の差」を生む決断

親の家を売るタイミングは、資金計画の全てを左右する。結論から言えば、親が元気で意思表示ができる「生前売却」が圧倒的に有利なケースが多い。

理由は主に3つある。

生前売却が有利な3つの理由

  • 税制の特例が使える:居住用財産の「3,000万円特別控除」が適用可能。相続後だと使えないため、課税対象額が数百万円単位で変わる。
  • 意思決定がシンプル:親本人の意思で進められる。相続後は兄弟が絡む遺産分割協議が必要になり、トラブルの火種になる。
  • 業者の対応が変わる:子供が同席する相談は、悪質な業者(囲い込みや安値買取を狙うタイプ)をある程度排除できる。

特に税金の差は大きい。例えば売却価格4,000万円、諸経費を考慮した売却益が3,650万円の場合、3,000万円控除を使えば課税対象は650万円だけ。使わなければ3,650万円全額が対象だ。税率によっては、支払う税金の差が数百万円にもなる。

1絶対NG!「たった1社の査定」で決める

私が最初にやりかけた失敗、これだ。「長年の付き合い」「地元だから」という感情だけで決めてはいけない。

査定額は「その会社の販売力」を映す鏡。地元密着型の会社と、全国ネットワークを持つ会社とでは、対象購入層も販売戦略も全く異なる。その結果が、査定額の差として現れる。

1,500万円と2,100万円の差は、単なる数字の差ではない。それは、親の老後生活の選択肢の広さの差そのものだ。


2. 賢い「いえカツ」実践の3ステップ

感情で動かず、戦略的に進めるための具体的な手順を紹介する。

2STEP1: まずは「一括査定」で相場を把握せよ

いきなり個別の不動産屋に電話しない。まずは主要な一括査定サービスにまとめて依頼する。入力は1回で済む。

おすすめの一括査定サービス(複数併用がコツ)

  • イエウール:提携会社数が多く、幅広い提案が期待できる。
  • スーモ(旧SUUMO):認知度が高く、大手から地元優良店まで網羅。
  • LIFULL HOME’S:掲載物件数No.1。多くの業者が登録。
  • すまいValue:三井不動産リアルティなど信頼できる提携先。

複数のサービスを使う理由は、提携している不動産会社が異なるから。Aサービスにはない強みを持つ会社が、Bサービスには登録されている可能性がある。私は3サービスを使い、計8社から提案をもらった。

3STEP2: 査定額「だけ」で選ばない。提案内容を比較

高い査定額を提示した会社がベストとは限らない。必ず「なぜその金額なのか」の根拠を説明させよう。

Q. 同じ2,000万円の査定でも、何が違うの?

A. 例えば、「現状のまま売ります」という会社と、「キッチンリフォームに100万円投資すれば2,300万円で売れ、差し引き200万円アップです」と提案する会社とでは、後者の方が戦略的でプロフェッショナルだ。媒介契約の種類(専任か一般か)や報酬率(3%が相場)も比較ポイント。

STEP3: 専門家の力を借りる(税金・判断能力)

これは超重要。もし親の認知機能に不安があるなら、売買契約が無効になるリスクがある。判断能力について心配があれば、家族信託の検討や、司法書士・弁護士への早期相談を。

税金の計算も複雑だ。3,000万円控除に加え、所有期間が10年超なら「軽減税率の特例」も使える。売却が決まる前に、税理士か税務に詳しい不動産会社にシミュレーションを依頼しよう。一括査定サービスによっては、提携税理士を紹介してくれるところもある。


3. まとめ:親の笑顔は「比較」で買える

実家売却は、資産の切り売りではない。親のこれからの人生を支え、選択肢を広げるための「いえカツ」だ。

その資金を1円でも多く確実にするために絶対必要なのは、感情や習慣で決めないこと。そして、必ず複数の目で比較すること

私があの時、最初の1社で決めていたら、母は600万円分の安心を失っていた。今、母はその差額のおかげで、希望の施設で暮らしている。

いますぐ始める「いえカツ」最初の一歩

  1. パソコンorスマホを開く(たった30分でできる)。
  2. 「イエウール」や「スーモ」などの一括査定サイトを2つ以上選ぶ
  3. 基本情報を入力し、査定を依頼する(無料)。

これだけだ。まずは市場があなたの実家にいくらの価値を見出すか、確かめてみてほしい。驚きが、きっとあるから。

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