住まいのミカタで聞いた「買ってはいけない物件」

住まいのミカタで聞いた「買ってはいけない物件」

320万円の差で学んだ、不動産取引の真実

320万円の差で学んだ、不動産取引の真実

離婚でマンションを売った時、私は焦っていた。最初に連絡した地元の不動産会社1社の話を、そのまま信じそうになったんだ。

「この価格が相場です。早く売らないと、もっと下がりますよ」

親身な担当者の言葉に、ネットで調べた相場より高かったこともあって、「これでいいか」と思った。でも、ハッとした。車や家電ですら複数店で比較する私が、なぜ家となると1社の意見だけで決めようとするんだろう?

そこで「すまいValue」で5社に一括査定を依頼した。結果は衝撃的だった。

最初の1社と最高額の会社の査定額に、320万円の差があった。

この経験が全ての始まり。家を売る時も買う時も、絶対に1社の意見だけで決めてはいけない。特に「買う」ことは、後戻りがきかない人生の決断だ。

一番危ないのは「リストに載らない割高物件」

一番危ないのは「リストに載らない割高物件」

あなたは今、「買ってはいけない物件」を調べている。ネットには様々な「危険リスト」が溢れている。地盤、日当たり、管理状態…確かに重要な知識だ。

でも、ふと考えてみて。そのリスト、誰が作っている?

多くは不動産会社や提携メディアだ。プロの視点は参考になるが、一つだけ気づいたことがある。

「リストに載ってない物件=安全」と言い切れるだろうか。

私が思う、最も危険なパターン。それは「リストの条件には引っかからないが、実勢相場より遥かに高い物件」を掴まされることだ。

築年数も立地も悪くない。法律上の問題もない。だから「安全」に見える。でも、その価格が実勢相場より300万円、400万円も上回っていたら?それは立派な「買ってはいけない物件」だ。

問題は、私たち買主には「実勢相場」がわからないこと。不動産会社が提示する「これが相場です」という数字を、つい信じてしまいがちなんだ。

売却時に痛感した「査定額のバラつき」は、買う時にも起きている。この情報の非対称性こそが、最大のリスクだ。

買い手のための「泥臭い比較術」3選

買い手のための「泥臭い比較術」3選

「買う時に一括査定は使えないじゃん」と思うだろう。実は、やり方がある。買う時の比較は、「情報を集める対象」を変えることから始まる。物件そのものではなく、「不動産会社」と「相場情報」を複数比較するんだ。

1媒介会社を1社に絞らない

気になる物件があっても、それを「専任媒介」で扱っている会社だけに連絡するのは危険。売主が「一般媒介」にしている物件も多い。ならば、その物件を扱える可能性がある別の不動産会社にもアプローチしよう。

  • 「〇〇マンションの△号室が気になっています。御社でも取り扱い可能ですか?」と相談する。
  • 複数社から購入見積書と意見をもらう。
  • A社は「リフォーム必須」、B社は「現状で十分」…この違いが交渉材料になる。

2売却査定サイトを「相場調査ツール」に

ここが最大のミソ。「家を売る」ための一括査定サイトを、「家を買う」ための下調べに使う。

具体的なやり方

気になっている物件と同じエリア・築年数・間取りの「売り物件」を探す。その物件情報で、すまいValueやイエウールに一括査定を依頼する。返ってくる複数社の査定額が、そのエリアのプロが考える「売り値の生の相場」になる。買い値の適正範囲は、ここから逆算できる。

3「しつこい営業電話」で業者を見極める

一括査定をかけると、売却の場合と同じように営業電話がかかってくる。これを逆手に取ろう。

「今は売るつもりはなく、△△エリアの相場を調べたくて…」と正直に伝える。そこで、親身に相場を教えてくれたり、適切な提案をしてくる営業マンは、買い付けのパートナー候補になる。逆に、売却を強く迫ってくる会社は、買い手にも同じ態度を取る可能性が高い。最初の接触でふるいにかけられる。

実際に試したら、180万円の差が浮かび上がった

実際に試したら、180万円の差が浮かび上がった

当時、私が興味を持ったのは築15年、駅徒歩8分の2LDKマンション。売り出し価格4380万円。これが適正かわからなかった。

そこで、ほぼ同じ条件の「売り物件」を探し、すまいValueで査定を依頼した。

6社からの査定結果(売り相場)

  • A社:3850万円
  • B社:3950万円
  • C社:3750万円
  • D社:4000万円
  • E社:3900万円
  • F社:3800万円

売り相場の平均は約3870万円。諸経費や利益を考慮すると、買い相場の適正範囲は4100万円〜4200万円あたりと推算された。

しかし、売り出し価格は4380万円。つまり、少なくとも180万円以上、相場より高い可能性が数値ではっきりしたんだ。

このデータを持って、「この価格の根拠は?」と質問できた。結局その物件は買わなかったが、この方法で得た「相場観」が、別の物件では値下げ交渉を成功させる武器になった。


この方法は「相場調査」が目的です。実際に売却する意思がない場合は、その旨を最初にはっきりと伝え、調査目的であることを理解してもらいましょう。

知識より大切なのは「相場を見極める力」

知識より大切なのは「相場を見極める力」

「買ってはいけない物件」の物理的欠陥を避ける知識は確かに必要。だが、それ以上に避けるべきは、「情報不足のまま、高い買い物をしてしまうこと」だ。

物件がどんなにきれいでも、相場より大幅に高い価格で買えば、それは「買ってはいけない取引」になる。

私が320万円の差で学んだ真実。不動産の世界では、たった一つの数字、一つの意見が、あなたの人生を何百万円も左右する。

買う時の比較は手間がかかる。でも、その手間が「あの時、もっと調べておけば…」という一生の後悔を確実に防ぐ。

まずは一歩を踏み出してみて。今、気になるエリアがあるなら、そのエリアの「売り相場」を、プロの査定額という生データで知ることから始めよう。

いますぐできる最初の一歩

気になるエリア・築年数・間取りを思い浮かべ、その条件に合う「売り物件」を探してみてください。そして、その物件情報を使って、相場調査を兼ねた査定依頼を出してみる。あなたの「相場観」を磨く第一歩になります。


※この記事は、不動産売買における情報収集と比較の重要性について、個人の経験を基に執筆しています。実際の取引では、必ず複数の専門家の意見を仰ぎ、ご自身で慎重に判断してください。紹介しているサービスは、あくまで情報収集の一つの手段として参考にしてください。

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